古くから「味がいい」と評判の地下水で酒造りを始めたのは1717(享保2)年。 主力の酒米は極上品種の「亀の尾」。戦前、新潟県の名酒を全国に流行させた後、 病害虫に侵され姿を消したが、「幻の名酒を復活させたい」と十一代目社長の 伊豆善也が新潟農業試験場に出向き、保存されていた種子二百粒を入手。 七年がかりで収穫に成功し、一九八九年、酒米の名前をそのまま冠した 大吟醸「亀の尾」をよみがえらせた。亀の尾で酒を仕込んでいる蔵元は、 東北、北陸地方を中心に全国で三十三社。九州では伊豆本店だけ。 発酵した酒を目の粗い布袋に入れて槽に積み重ね、 酒をこす昔ながらの製法「槽搾(ふなしぼ)り」で造られた大吟醸は、 関東や北海道からも注文がある。